世界の社会問題を解決するためには
企業が変わらなければならない。
この言葉との出会いが
私のストーリーを決めた。
サステナビリティ推進部
佐藤 まりな
- Profile
- 2007年、日系自動車メーカーに入社。産休・育休を含み12年間にわたり、サステナビリティ推進含めコーポレート部門を中心にキャリアを積む。2019年、サステナビリティ経営への真摯な姿勢に共鳴して、住友商事にキャリア入社。現在、サステナビリティ推進部の企画チームで、プロジェクトの推進や社内外のコミュニケーションに携わる。
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです
私が向き合うもの
貧困や人権、環境…。
世界の社会課題を解決するために、
私たちができることは何なのか?
高校生の頃から貧困や人権などの社会問題に関心があり、学生時代、オーストラリアの大学で国際関係学を学びました。当時は漠然と国連や外務省など公的機関で働きたいと考えていましたが、その時出会った教授の言葉が私のその後のストーリーを決めたといっても過言ではありません。「本当に世界の社会問題を解決したいと思うのなら、企業に飛び込むべきだ」。これまで社会が経済発展を遂げてきた一方で、環境汚染や人権問題など社会が抱える課題は利益追求を第一に考えてきたビジネスと密接な関係があり、解決には企業の経営のあり方を変えることや資金も必要であると気づかされました。企業の経営を通じて取り組まなければ世界は変わらない…。今注目を集める「サステナビリティ経営」という発想です。私にとって、まさに天啓ともいえる言葉でした。そして私は帰国し、自動車メーカーに就職しました。自動車業界を選んだ理由は、世界にまたがる膨大なサプライチェーンを有しており、経済発展を支え地域社会への影響力が大きく、そういった事業環境の中で社会課題の解決に貢献していきたいと考えたからです。12年間、経理・財務やサステナビリティ推進などコーポレート部門を中心に働きました。サステナビリティを推進する部署では、自動車業界が関係するさまざまな社会課題を学ぶ機会に恵まれましたが、問題を個々に対処するだけではなく、社会課題解決に貢献しつつ、会社の持続的な成長を同時に追い求めたい。すなわち経営の在り方そのものに「サステナビリティ」という概念を根付かせたいという思いが強くなり、2019年、住友商事にキャリア入社したのです。
私の現在地
企業にとっても社会にとっても
持続的な価値を生み出していくために。
住友グループは、「自利利他公私一如」という事業精神を受け継いでいます。これは「住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、社会を利するほどの事業でなければならない」という意味で、まさに今日のサステナビリティ経営の考え方そのものです。当社は、この概念に基づく取り組みを経営の根幹にしようと本気で考えています。その姿勢に共鳴したことが、私がキャリア入社を決断した理由でもあるのです。現在私は、当社が進める「サステナビリティ経営の高度化」プロジェクトに携わっています。これは、当社が特定した6つの重要社会課題に対してそれぞれ目標を設定し、長期的且つ戦略的に事業を通して取り組んでいくという経営の仕組みをつくるもので、当社にとっても社会にとっても持続的な価値を生み出していくことを目指しています。「自利利他公私一如」の事業精神にもあるように、サステナビリティの考えは既に当社の中に文化として根づいていると感じています。しかし、それを新しい仕組みとして具現化し、定着させていくことは容易ではありません。当社にとってサステナビリティ推進とは経営そのものですので、社員一人ひとりの協力が不可欠です。社員間でコミュニケーションを重ねて、いかに理解を深め全社一丸となって取り組んでいくか、そこが私にとって現在の最重要テーマとなっています。
これから目指すもの
社員一人ひとりが社会とのつながりを意識し、
誇りを持って幸せを感じて働ける会社。
地域の人びと、事業パートナー、投資家…。企業が事業を行う上ではさまざまなステークホルダーが関わります。中でも私が一番に想いを寄せたいと考えているのは、当社の社員です。当社がサステナビリティ経営を通じて、気候変動緩和、地域社会の経済や社会の発展、人権の尊重などといったあらゆる課題に取り組むことで、社員の誰もが社会とのつながりを実感し、誇りを持ちながら幸せを感じて働ける環境を実現することが私の夢なのです。サステナビリティ経営の実現は、社員の原動力にかかっています。私もその一社員として、将来的には現在のサステナビリティ推進部から飛び出し、コーポレートの他部門や営業部門、また海外駐在も経験し、多角的な視点からサステナビリティの取り組みを推進していきたいと考えています。いつの日か、「サステナビリティ経営といえば住友商事」といわれるような環境をつくりたい。そして、私たちがベンチマークのような役割を担うことで、サステナビリティ経営を日本の多くの企業に広め、世界の社会問題の解決に貢献するとともに日本ならではの競争優位性につなげていきたいのです。