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自分で決断したからこそ、
今の自分がある。

リテイルSBU 海外リテイルユニット

宮田 佑馬

この記事のサマリー

1. 入社7年目に公募制度を使い(現在の)リテイル事業第一部へ異動。「目の前に見えている世界がすべてではない」ことを実感。

2. 国内外の食品小売事業や、海外事業会社での副社長も経験。

3. キャリアを自ら切り拓き、ビジョンの実現を目指していく。

Profile
2005年に入社後、自動車鋼板事業部で鋼材トレードを6年間従事した後、公募制度を活用してリテイル部門へ異動。以来、国内外の食品小売事業に携わる。2018年から5年間は在台湾食品小売事業者へ出向し、副社長も務めた。
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです

キャリアの転機

自ら考え、決めた挑戦。
キャリアと人生に対する責任感が強まった。

——入社当初の自動車鋼板事業部ではどのようなお仕事をされていたのですか?

鋼板というのは、自動車のドアやボンネットなどに使われる金属製の板のことで、私はその鋼板を仕入れて国内外の自動車メーカーに販売する仕事に携わっていました。偶然に配属された部署でしたが、対人営業の仕事は面白かったですよ。お客様との対話を通じて課題をつかみ、仕入れ先と一緒になってそれを解決する。若手時代にそんな経験ができたことは、キャリアのスタートとして幸運でした。

——その後、7年目には公募制度の活用をされていますね。

鋼板のトレーディングで目標としていた海外営業を経験できたことと、それをしたことで自分の視野が狭かったことにも気づかされました。なので、せっかく総合商社に入ったのだから目の前にある選択肢以外にも目を向けようと思ったんです。
当時はキャリアについて深く考え、悩み抜きましたね。一緒に働いていた人たちに対する後ろめたさもありましたし。ただ、自分自身が何を大切にしていて、何に喜びを感じるかをあらためて考えた時に、お客様とより近くでビジネスができるリテイル事業に魅力を感じたんです。早くから事業会社のマネジメントに関わるチャンスがあったことも魅力的でした。

——実際に異動をしてみてご自身のなかで変化はありましたか?

ほかの誰かに指示されたわけでなく、自分自身で考えて決めた異動です。つまり、すべては自分次第。そんな思いで、キャリアや人生に対する覚悟と責任感が強まりました。異動が叶ったのは、それまでに与えられた目の前の仕事にしっかり向き合ってきた結果だと感じているので、その姿勢は今も大切にしています。
異動を通じて「今、目の前に見えている世界がすべてではない」と実感し、仕事に対する視座が高まったようにも感じます。現在のビジネスの枠、あるいは住友商事の枠にさえもとらわれず、物事を考えることを大切にしています。

仕事を通じて学んだこと

海外事業会社への出向で、
事業の複雑さと社会的意義を理解。

——リテイル事業第一部では実際にどのようなお仕事を?

スーパーマーケットを中心とする消費流通分野で、各事業会社のサポートと新規事業開発を担当しています。国内では「サミット」やドラッグストアの「トモズ」、海外には小売店を運営する事業会社もあります。住友商事が関わることで、消費者に毎日の買い物の楽しさと利便性を届け、消費生活を豊かにすることが目標です。私自身もこれまで、サミットネットスーパー、台湾の食品流通事業(シンプルマート)などさまざまなビジネスに携わってきました。

——2018年からは台湾のスーパーマーケット運営会社に出向し、副社長も務めてますよね。

当時は2つの役割がありました。1つは食品流通事業運営会社の経営陣としての立場。食品流通市場やそこでの競争環境を理解して、自社の強みの伸ばし方、弱みの補い方を整理して、より消費者に喜んでもらう店を作るために会社全体を動かすことが主な役割です。もう1つは株主である住友商事の立場。個社では解決できない課題に対して、住友商事のリソースやノウハウを活用する方法を考え、実践していく役割です。このとき、出向して学んだのは、事業は人の集合体だからこそ複雑だということ。物事の理解には「知っている」「知らない」の2元論では語れない深さがあることを学びました。そして、実際に現地の人々の消費生活を支え、お客様や従業員に喜んでもらえている手応えを感じる日々は、仕事の社会的意義も実感させてくれました。

住友商事で働くことの魅力

住友商事で働く日本人だからこそ、
世界に届けられることがある。

——2023年に帰任したそうですが、現在はどんなビジョンを持って仕事をしていますか?

日本の会社で働く日本人だからこそ、アジアの消費流通分野でできることは数多くあると確信しています。他国に先駆けて成熟した日本が持つノウハウはアジアで差別化要素になる。これは私たちは現地の人がまだ見たことがないものを既に見ている可能性が高いからです。出向を通じてそれを実感しました。個人的にも、アジアの消費文化の発展に貢献することをビジョンに掲げて仕事に取り組んでいます。今は日本からアジアの事業会社に対する支援を行っており、ベトナムにおける事業拡大と、新しい国でビジネスを展開していく新規事業開発を中心に手がけています。

——これからキャリアを築く上で大切にしている考えについて教えてください。

キャリアを築く上で一番大切だと感じるのは「自分で考えて決断する」こと。決断はその時に進む道を決めるだけでなく、自分のなかに根を張り、その後の働き方や人生に対するコミットメントを変えていきます。自分で決断したからこそ、今の自分がいると強く感じます。

宮田 佑馬が答える
5つのQ&A

Q1 入社した理由は?

もともとはテレビ業界を目指していましたが、まったくご縁がつながりませんでした。そんな時に住友商事グループがケーブルテレビ事業にも携わっていることを知り、興味を持ったんです。「この仕事をしたい」と決め切らずに入社しましたが、その漠然とした状態で社会人生活を送ったことが、キャリアの再考・公募制の活用につながりました。

Q2 会社の雰囲気を一言で言うと?

やりたいことが明確であれば、それを実現できる会社。人の優しさも感じることが多く、最近でいえば台湾から帰任した時に古巣である鋼材のメンバーが真っ先に歓迎会を開いてくれました。10年以上経ってもこうして温かい関係を続けてもらえていることに、心から感謝しています。

Q3 仕事を楽しむ秘訣は?

一つひとつの仕事に対して、自分の名前をブランドネームとして入れるような思いで取り組むことです。そこに自分自身の付加価値や違いがなければつまらない。そういった姿勢を示すことで、他者への刺激につながればと思います。仕事の目的は他者への貢献にあると思うからです。

Q4 過去のどのような経験が、今のあなたをつくっていますか?

失敗と自省。うまくいかないことの方が多いものですが、失敗を回避するために行動しないことだけは避けてきました。自分を客観視して過去の失敗から学ぶために、入社3年目以降17年間、毎日日記をつけています。

Q5 夢は?

日本人特有の精緻さや感性を生かした仕事を通じて、海外で暮らす人々の生活を豊かにすること。日本のケースをそのまま応用できるわけではなく、現地の人を知ってローカライズすることも大切です。これをライフワークとして取り組んでいきます。

とある1日

7:45
出社。考える時間に充てる
9:30
社内外との打ち合わせ
12:00
ランチ
13:00
社内外との打ち合わせ
17:30
デスク作業
18:30
帰宅
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