一つひとつの経験が、
やがて社会をより良く変える力になる。
エネルギーイノベーション・イニシアチブSBU
Power Frontierビジネスユニット
平田 賢太郎
この記事のサマリー
1. 再生可能エネルギーによるグリーン電力プラットフォーム事業のプロジェクトマネジメントを担当中。
2. 若手時代、イラク駐在中に社会貢献の意義を実感。
3. 投資ファンドへの出向や地方創生ビジネスなど、多様な経験を得られたからこそ生み出せる価値。
- Profile
- 2013年に新卒で入社し、自動車のトレーディングからキャリアをスタート。2015年からは海外大学で1年間の語学研修を経てイラクに駐在。現地で自動車代理店での業務を経験し、帰国後はモビリティ分野の新規事業開発などを担当。現在はグリーン電力関連事業に携わっている。
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです
現在の仕事
商社ならではのやり方で、
カーボンニュートラルに挑戦。
——現在携わっているグリーン電力プラットフォーム事業とは?
クライアントの脱炭素化に向けて、再エネ電源を起点に複合的なサービスを提供するビジネスです。現在は、主に再エネ電源の1つである太陽光発電の事業開発に取り組んでいます。太陽光発電システムは大きく分けて2種類があり、1つ目は消費地で電力を作るオンサイト発電。わかりやすい例が、建物の屋根に太陽光発電パネルをつけて、その場で電力を消費するというスタイルです。もう1つが、消費地から離れた場所で電力をつくって送電するオフサイト発電という手法。こちらは日当たりの良い耕作放棄地等の太陽光発電に適した場所に発電設備を設置し、電力会社を経由して消費地に電力を届けるというスタイルです。オンサイト発電と比べて多くの電力を提供できる反面、関係者が多く開発の難易度が高いことが特徴です。再エネ電気を作り届けることから始まり、その電気をシェアする、EV・蓄電池にためる、システムを用いてスマートに使うといったサービスを提供し、クライアントの脱炭素化に貢献することを目指しています。
——実際にはどのような案件を扱っているのですか?
今は、大手小売店向けの太陽光発電事業におけるプロジェクトマネジメントを行っています。カーポート型の太陽光発電設備を各店舗に設置し、駐車場で太陽光発電ができるオンサイト発電の仕組みをつくっています。クライアントをはじめ、電力会社や施工会社などさまざまな関係者との調整の連続になるので大変さはありますが、カーボンニュートラルに向けた取り組みとして日々励んでいます。
——住友商事がグリーン電力に介入することでどのような価値を生み出そうとしているのでしょうか?
私たちは技術を持っているわけではないので、仕組みづくりに価値を発揮しています。極端な言い方をすれば、単に太陽光発電設備を設置するだけであれば、住友商事ならではの価値はそう多くないかもしれません。ただ、クライアントの要望に応じた再エネ電力の使い方を実現したり、オフサイト発電では多くの関係者を巻き込んで複雑な話を取りまとめていく必要があります。そういった際にベストな仕組みを構築していく、色んな立場の人をつないでいくといった商社ならではの強みを活かせるのです。だからこそ、既存のスキームにとらわれず新しいストラクチャーをつくることに熱心に取り組んできました。私たちがつくった発電施設で生まれた再エネ電力を、電力会社と手を組んで需要家に届ける仕組みや、金融機関と協力してプロジェクトファイナンス※を組成することもその一例です。
- ※プロジェクトファイナンス:特定の事業やプロジェクトを独立した事業体とし、当該プロジェクトから生み出される収益およびキャッシュフローを返済原資とするファイナンス
印象的なエピソード
正解のない問いに答えつづける。
その想いを後押ししてくれる原体験。
——これまでのキャリアのなかで印象的だった仕事はありますか?
入社してから6年間、中東の自動車関連事業に関わっていたのですが、5年目のときにイラクの新規事業開発を担当したことがあります。自動車の遠隔停止技術を活用した自動車ローンのサービス開発になるのですが、文化的にファイナンスが成立しにくい背景から一般消費者に自動車が普及していかないという課題にアプローチするもので、支払いが滞った場合に自動車を使えなくすることで、より多くの人に自動車ローンを活用可能とする仕組みです。実際に、現地で自動車のシェアリングサービスを展開する企業と組んでサービス開発に取り組みました。若手のうちから、このように海外の多様な文化に触れながらビジネスを経験できたことは、今にも生きていると感じます。
——イラクでは、社会貢献の大切さも学んだと聞きましたが。
駐在中に、自動車代理店の取組の一つとして行っていた職業訓練ですね。あれは私にとって非常に印象的な出来事となりました。
職業訓練に参加していたある難民の方から「家族の死を乗り越えて頑張れるのは、この職業訓練があるから」という言葉を聞きました。そのときに、私たちの事業を通じて社会に貢献していくことの素晴らしさを実感したんです。これが今でも私の大切な原体験となっています。
商社のビジネスは、新しい仕組みづくりという正解のない問いに向き合うことの連続です。社会のために何ができるのか、そこに真剣に向き合うことの大切さと、その気持ちを動かしていく原動力となっています。
住友商事で働くことの魅力
たくさんの機会と経験、
そして仲間がいる。
——入社7年目の投資ファンドへの出向は、それまでとはまったく異なる業務だったんじゃないですか?
そうですね。勉強の意味合いが強い出向で、まったく知らない投資の世界にはじめは苦労しました。というのも、投資のノウハウがなければ務まらない業務に、知識ゼロの状態からチャレンジすることになったわけですから。既存のメンバーは当然プロフェッショナルばかりなので、もう地道に学んでいくしかありませんでした。
そのなかで、投資先の1社では、事業の立て直しに挑みました。現場のリーダー一人ひとりと顔を合わせて話をし、それぞれの課題を認識してもらい、解決策を提案しました。投資の知識では同僚には勝てませんが、それまでの経験に立ち返り「現場目線」を心掛けたので、それが功を奏したのかもしれません。最終的には事業経営の仕組みづくりと、そこで働く方々と一緒になって会社を成長させることができたことに大きな達成感を覚えました。
——これまでさまざまな仕事に取り組まれてきた平田さんにとって、住友商事で働くことの魅力とは?
自動車、投資ファンド、地方創生、そしてグリーン電力。それぞれまったく異なる分野で仕事をしてきましたが、多様な経験があったからこそ生み出せる価値が確かにあると感じます。この経験を活かして、いつか社会に大きな価値を提供していきたいです。ここまで多岐にわたる仕事を経験できるのは、住友商事ならではの魅力だと感じています。
それが、コーポレートメッセージ「Enriching lives and the world」につながると考えています。またどの部署においても住友商事にはお互いをenrichingしあえる人材が揃っている。これが何よりの強みであり、ここで働き続けたいと思える理由でもあります。
平田 賢太郎が答える
5つのQ&A
Q1 仕事を楽しむ秘訣は?
仲間と「無駄」を共有すること。もちろん効率化は大切ですが、そればかりでは息が詰まってしまいますし、余白から新しいアイデアが生まれることもあります。一から現場を見ることも、一見すると無駄が多いように見えるかもしれませんが、課題解決の一番の近道だと思っています。
Q2 過去のどのような経験が、今のあなたをつくっていますか?
これまでの経験を通じて感じるのは、やはり「現場が大切」だということ。今後も現場視点を忘れずにしていきたい。
Q3 尊敬している社員はどんな人?
「ポジティブ×情熱」を持っている人です。イラクに駐在していた時に一緒に働いていた方がまさにそうでした。新興国で新しいビジネスをつくるのは想像以上に難しく、思ったように物事が進まないことの連続でしたが、そんな時でも「一緒にやっていこう」と前向きに声をかけてくれたことに救われていました。
Q4 仕事でつらい時、どうやって乗り越えている?
onとoffの切り替えを意識することと、時には喜怒哀楽を思いきり出して気分転換するようにしています。仕事に集中しすぎると周りが見えなくなってしまいがちですが、それでは行き詰まってしまう。だから音楽を聴いたり映画を観たりして感動するとか、心を動かすことを意識しています。
Q5 プライベートの過ごし方は?
子どもたちと遊ぶことが多いですね。一緒に公園に行ったり、おままごとに付き合ってみたり。家族と過ごす時間ももっと大切にしていけたらと思います。
とある1日
- 7:00
- 起床
- 8:00
- 子を幼稚園に送り、通勤
- 9:30
- 出社、メールチェック
- 10:00
- 契約書のチェック
- 11:00
- ドキュメント作成
- 12:00
- 昼食
- 13:00
- 社内関係者と打ち合わせ
- 15:00
- 工事事業者と打ち合わせ
- 16:00
- クライアントと打ち合わせ
- 18:00
- メールチェック
- 20:00
- 退社
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