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多くの選択肢のなかから
社内起業制度をセンタク。

ライフスタイルグループCFOオフィス

植田 信

この記事のサマリー

1. 社内起業制度を活用して洗濯代行サービスの開発に取り組む。

2. MBA留学でキャリアを見つめ直すとともに、そこでの出会いによって起業を目指すことに。

3. 総合商社の人的資本と安定した基盤で、自身の夢をつかみたい。

Profile
経済学部を卒業後、2011年に入社。コーポレートリスク管理部で全社の投資基準策定や大型投資案件の採算分析に携わる。入社4年目に中国語の語学研修生として北京へ、その後上海住友商事で現地の投資・トレード管理を経験。MBA留学を経て、現在は社内起業制度を活用した新規事業創出に取り組んでいる。
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです

現在の仕事

社内起業制度を活用し、
「人生にセンタクを」
提供する。

——社内起業制度では、どのような事業に取り組まれているのですか?

「Life Wash(ライフ ウォッシュ)」という洗濯代行サービスの開発に取り組んでいます。LINEでご注文いただいた後、お預かりした洗濯物を12時間後には畳まれた状態で返却するという新しいサービスで、大手クリーニング事業者の白洋舍をパートナーに取り組んでおります。2022年から事業開発を開始し、現在は実証実験の最中です。
背景にあったのは、日本は他の先進国と比べて「我慢を美徳とする文化」があるように感じたことです。海外から帰ってきてよりそれを実感するようになったのですが、「家事も仕事も自分でやらなければ」と歯を食いしばる人が多いですよね。そんな人々にこのサービスを利用してもらうことで、もっと楽しいことややりたいことに集中できるライフスタイルを提供したいと思いました。キーワードは「人生にセンタクを」です。

——海外というお話も出ましたが、これまではどのようなキャリアを?

これまではコーポレートファイナンスの分野でキャリアを歩んできました。最初に配属された部署では、住友商事が事業投資を行う際の投資基準の策定や、大型投資案件に対するリスクや採算を分析して投資可否の判断を行う仕事をしていました。その後、入社4年目に中国語の語学研修生として北京へ行き、その後2年間、上海住友商事で中国国内のトレードビジネスのリスク分析や、地場企業との合弁会社の立ち上げを担当しました。もともとグローバル投資に興味があり、なかでも今後の成長が期待される中国には注目していました。なので、入社当時から中国行きのチャンスをつかもうと、社内でアピールし続けていたんです。

キャリアの遍歴

海外での経験と出会いが、
起業を志すきっかけに。

——上海住友商事から帰任してからはMBA留学をされていますね。こちらの背景は?

もともとMBAには興味がありましたが、外国で働いたことがきっかけにはなりました。今後確実な成長が見込まれるアジアの中でも日本と文化・歴史的関係の強い中国に興味を持っておりましたが、中国語を話せる商社マン = 現地で重宝されるは成立しないことに3年間で痛感しました。アジアで活躍するためにも、欧米での教育やビジネス経験が重視されるんですよね。では英語を話せればよいのかというとそうではなく、文化や商習慣を理解しているかが重要で、それを理解していなければグローバルビジネスを差配することは、無理だと思います。ほんの数年、英語圏の業務を担当するだけでは身につかないですし、投資管理のキャリアに役立つスキルを腰を据えて学ぶために世界各国から人の集まる都市・ロンドンへの留学を希望しました。

——そしてロンドンから帰国して間もなく社内起業にいたるわけですが、留学先では何があったのでしょうか?

当初は自身でビジネスを立ち上げようという気持ちはなかったですが、留学中に自分のキャリアについてじっくり考え、考えが変わりました。世の中のビジネスを動かしているのは2種類の人間だと思っていて、1つはそれまで私が携わってきたように投資を通じてビジネスを外側から大きくする人。もう1つは、ビジネスを内側からクリエイト・経営する人です。私は投資側として、幅広いビジネスに外側から関わる形でのキャリア形成を考えていましたが、色々な経験や学びを通じて、自身でビジネスを動かしたい、と思うようになりました。また、自身と似たようなバックグラウンドの留学先の同級生が起業する姿を見て、無意識に自分は起業には向いていないと線を引いていたことに気づき、一念発起。貴重な30代を「自分の夢」のために働こうと決心して、起業を志したんです。それと同じ頃に、洗濯サービスのアイデアが生まれました。

——実際に起業するまではどういった流れだったのですか?

初めは独立して起業することを考えていて、社外からの資金調達に挑戦しました。さまざまな投資家に向けてプレゼンテーションを行うピッチコンテストに出場し、そこで受けた意見をもとに事業計画をブラッシュアップして。そうしてアイデアの検証を進めるうちに、このビジネスは大企業のリソースを活用するのがベストなんじゃないかと思ったんです。そこで社内起業制度「0→1(ゼロワン)チャレンジ制度」に応募し、晴れて2022年の通過者となり、起業することができました。

住友商事で働く魅力と、将来のキャリア

「人」が資本の住友商事だから、
多様な「人」と連携して
ビジネスを創造できる。

——実際に住友商事で起業したメリットはどんなところにありましたか?

幅広い事業を持つ住友商事だけに、ビジネスのアイデアも既存のビジネスラインにとらわれず広く発想できることが一番の魅力です。特定の商品や技術ではなく「人」を資本とする会社なので、さまざまな専門領域の「人」と連携して事業開発に取り組めます。適宜外部のパートナーとも連携していますが、社内の専門部隊から情報を得られるメリットはかなり大きいです。それから、自身の生活基盤を安定させたまま注力すべき事業開発だけに専念できることも大きな魅力。独立すれば事業開発と並行して資金調達に奔走・調達できなければ生活が立ち行かないことになります。生活を安定させたまま、事業開発のみに集中できる環境はかなりありがたいです。

——では最後に、今後の目標をお聞かせください。

まずは30代のうちに自分でビジネスを立ち上げる経験を積み、40・50代ではより大きなビジネスの経営に取り組みたいです。そして、60歳になったときには大学教授になることが夢です。若い世代にいつか自分の経験を伝えることで社会に貢献していきたいと考えています。そのためにも、今取り組んでいる新規事業開発を何としても成功させたいでし、リスキリングという意味での博士課程での学び直し等にも取り組んでみたいです。自分一人でできることは限られているからこそ、色んな「人」を巻き込んでより大きな世界をつくっていきたいですね。人生100年時代、そうやって80歳まで充実した仕事ができれば最高です。

植田 信が答える
5つのQ&A

Q1 入社の決め手は?

学生時代にリーマン・ショックを経験し、金融や投資がもたらすインパクトの大きさを実感しました。そんななかで人々の生活に影響を与える形での投資に関わりたい考えた時に、住友商事が行う事業投資に魅力を感じました。

Q2 仕事を楽しむ秘訣は?

「何事も楽しいと思って取り組む」こと。「つまらない」と思いながら仕事をしていたら楽しくはできませんし、楽しくないと上達しないですよね。多少強引にでも楽しさを見出すのも大切だと思います。

Q3 尊敬している社員はどんな人?

「みんなが素直に『ごめんなさい』と言えれば、会社は100倍うまく回る」と言っていた入社2年目の時の上司です。年齢・経験を重ねるごとにメンツを意識し、当たり前のことを当たり前にできなくなりがちですが、常に素直さを忘れずにいたいです。

Q4 仕事終わりの過ごし方は?

毎日19時には子どもと夕食を取り、寝る前に30分弱のストレッチをします。仕事だけでなく、自身のメンタルと身体のケアも意識しています。

Q5 過去のどのような経験が、今のあなたをつくっていますか?

MBA留学に行くとき、当時の上司から「外の世界を見て来い。転職活動してもいいんだぞ」と言われました。その言葉をまっすぐ受け取り、本当に転職活動をしてオファーももらいましたが、自身のキャリアを見つめなおした際に住友商事以上の経験ができる環境は他にありませんでした。会社の度量の大きさに支えられたからこそ、今があると感じています。

とある1日

9:00
育児・家事
10:00
チームメンバーと打ち合わせ
11:00
ユーザーインタビュー
14:00
事業パートナーと打ち合わせ
16:00
市場調査のためユーザー宅を視察
19:00
家族で夕食
21:00
資料作成
24:00
就寝
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