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フリートマネジメントサービスを通じて
EVの普及を推進。
サステナブルな経済発展を実現に向けて。

欧州住友商事グループ 自動車グループ

中島 湧一

この記事のサマリー

1. モビリティに付随する金融サービス分野で事業会社の経営マネジメントやM&Aを経験し、現在はEVフリートマネジメント事業を推進。

2. 住友商事と事業会社のバランスを取ることに苦労しつつも、現場でのチームワークで成し遂げる達成感や、グローバルマーケットの最前線で未来を思考する楽しさがある。

3. EVリースを通じて持続可能な発展を体現したい。現場のリードも戦略立案も叶うことが住友商事の魅力。

Profile
2013年に新卒で入社以来、「自動車×ファイナンス」の分野で海外事業会社の管理のほか、出資・売却等を手掛けてきた。2015年にはスロベニアの事業会社に、2022年からはイギリスのEVフリートマネジメント*を行う事業会社に出向し、経営に携わっている。
*EVフリートマネジメント:電気自動車のリースや運用・管理サービスを提供
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです

現在の仕事

自動車に付随する金融サービスで、
事業会社の経営やM&Aを実行。

——これまで自動車のローンやリースといった金融ビジネスに関わってきたそうですが、具体的にはどのような業務になるのでしょうか?

自動車の導入に係るローンやリースなどの金融サービスを扱う事業会社に対して、本社側で株主として事業を管理、出資や売却などのM&Aを実行してきたり、事業会社の現場側で自ら経営管理、執行を担ってきました。具体的に管理というのは事業計画の立案をサポートするほか、その進捗をモニタリングし、目標達成に向けた支援等の業務を指します。M&Aについては、海外を中心とした事業会社を調査して出資先を検討するところから売手との出資交渉や契約業務まで行います。反対に、すでに当社が出資している事業会社を売却するケースもあり、自分自身はこちらの経験が多かったです。直近は欧米でのモビリティ関連の新規事業開発に取り組んできた結果、現在の出向先まで辿り着いたという経緯です。

——2022年からはイギリスの事業会社に出向しておられるようですね。

電気自動車(EV)のフリートマネジメントビジネスを営む事業会社での経営企画部長、マネジメントチームの一員として経営補佐をしています。主に事業計画や計画達成に向けたアクション策定とその進捗管理を行っており、株主である住友商事に適宜状況をレポートします。住友商事としてはこの会社を起点にEVならではのサービスを武器に、例えば新車は長期リースで貸し出し、中古車は短期リースに、最終的にはバッテリーを蓄電池として再利用するといったような方法で、従来のガソリン車よりも長持ちする特徴を生かし、EVを最大限に活用するビジネスの構築に取り組んでいます。

——サステナブルな事業ですね。

まさに、そこが住友商事の目指す戦略と一致したことから出資が行われました。出資検討の段階からチームの一員として私も関わらせてもらっており、住友商事が資本参画することで、事業会社単独では辿り着けない領域へとビジネスを成長させることを目指しています。具体的には、個人顧客からビジネス顧客へとターゲットをシフトし、充電をはじめとする周辺サービスの拡充を行ったり、それに伴うさまざまなアライアンスを住友商事のネットワークを活用しながら実行してきました。

仕事の苦労とやりがい

新しい市場で挑戦することの
難しさと楽しさを体感。

——現在取り組まれているEV分野は、新しいビジネスになるため難しさもあると思いますが?

特に新しいビジネスは計画通りに進まないケースもありますし、それに対して住友商事が納得できる説明責任を果たさなければならない。また、事業会社に対しても意識や認識の変化を促していかなければならない。そういった点はやはり難しさを感じますね。
それでも日頃から大切にしているのは、どんな時も事業会社側に立つことです。私はあくまで住友商事の社員ですが、事業会社のメンバーと同じ思い、目線で物事を見ると決めています。そうでなければ本当のチームワークは生まれないと思っていますし、結果事業を成長させることもできません。仮に住友商事から現実的ではない目標設定、受け入れ難い依頼があった際には、衝突を恐れずに両者の間に立って実現可能な目標に調整し直さなければなりません。どちらか一方にパワーバランスが偏ることは、長い目で見れば両者にとって不利益でしかないので、その点は気をつけています。

——反対に、仕事の楽しさを感じるのはどんな時でしょうか?

グローバルマーケットの最前線で面白い情報に触れる時は、心がワクワクします。たとえば、現在出向している事業会社では中古EVを購入、売却する業務も行っており、そのオークションに参加することもあります。地味な仕事に感じるかもしれませんが、「今はこんなEVが求められている」といった最新動向をキャッチし続けることで、未来を見通す力が養われていると感じます。欧州はEVが普及してきていますが、日本を含めて発展途上の市場もまだ多くあります。世界中のあらゆる場所でビジネスを展開する私たちだからこそ、発展途上の市場が成長していく未来を見据え、実際の現場で、自分の心身でつかみ取れる面白さです。

社会貢献と、住友商事で働く魅力

経済の発展とサステナブルな社会の実現を両立し、
脱炭素化に貢献する。

——世界的なアジェンダである脱炭素社会の実現に向けてEV分野は欠かせないツールだと思いますが、そのあたりの実感はいかがでしょうか?

営んでいるフリートマネジメントは間違いなくEVの普及に貢献できていると思います。提供しているサービスは、企業や個人がEVを導入するハードルをぐっと下げてくれますし、その一つ一つの積み重ねが脱炭素化に貢献していくと信じています。EVは二酸化炭素を排出しないモビリティとしてだけではなく、蓄電池としても活用することができます。再生可能エネルギーの課題である供給の不安定さも、EVを蓄電池として活用することで解決、更に普及を加速できるかもしれない。そういった観点からも、間違いなくEVは脱炭素社会に欠かせないツールです。社会・経済を発展させることと同時に、地球環境の保全をも両立していける。まさに「持続可能な発展」をリードする取り組みだと信じ実行していきます。

——EVの可能性には期待ができますね。では最後に、住友商事で働く魅力を教えてください。

これまでにさまざまな国で仕事をしてきましたが、世界中にいる仲間のサポートが大きな力になっています。働く国も商習慣も違えど、全員が「For the Project」の精神を共有している。そんな国籍を問わない住友商事のチームワークに何度も救われてきました。こうして一緒に働いた仲間とは、別々の仕事をするようになっても協力し合える関係がつづいています。それぞれがグローバルなフィールドで経験を積み、知見や人脈を蓄えているので、困った時にはそれを持ち寄って助け合うのです。
また、住友商事にはあらゆるビジネスカテゴリーと関連する多くの事業会社があり、非常に幅広い経験ができることも魅力です。事業会社に行けば、小さなものから大きなものまで自身が主体となって決断することも可能ですし、本社での戦略づくりも得難い経験になると思います。そのどちらも叶えることができるのが、住友商事の最大の魅力だと感じます。

中島 湧一が答える
5つのQ&A

Q1 入社した理由は?

海外で働きたいという理由から、商社や航空業界を志望していました。就職活動では一人でも多くの先輩社員と会おうと行動し、そのなかで人に惹かれ、具体的には私自身が大切にしている「謙虚さ」を一番感じたのが住友商事の方々でした。

Q2 一番緊張した瞬間は?

入社3年目にスロベニアの事業会社に出向し、最終的にはその会社の株式売却を実行しました。マーケットへの情報漏洩を防ぐために秘密裏でプロジェクトを進行。長いプロセス・苦労の末に入札にこぎつけたものの、実際にBid(入札されること)を待つ時間はとても緊張しました。無事に売却は成功し、一緒に働いていた現地の従業員の生活を守ることができてホッとしました。

Q3 会社の雰囲気を一言で言うと?

出向先の事業会社は、アットホームでピュアなファミリー企業。一方、住友商事は時折の厳しさを兼ね備えつつも良い人が多いプロ集団、という印象です。

Q4 尊敬している社員はどんな人?

これまでの会社人生の中で何人かの尊敬出来る上司に出会ってきましたが、特にスロベニアの出向先事業会社で社長を務めていた当時の上司には感謝しています。私は入社3年目での初駐在、駐在員のナンバー2として経営マネジメントを務める重責に戸惑うこともありましたが、上司は二回りも年下の私の意見をよく聞いてくれ、そのおかげで思う存分仕事を出来ました。自由に仕事をさせてくれつつも、「最後の責任は俺が取る」という姿勢がとてもかっこよく、自身もそうありたいと目指しています。

Q5 プライベートの過ごし方は?

息子の友達家族と出かけたり、公園に遊びに行くことが多いです。イギリスでは学校行事や子供のプレイデートに父親が参加することも多く、公園もたくさんあり緑に触れ合う機会も増えました。また欧州各国へも距離が近いので、長期休暇には家族みんなで次の旅行に出かけることを楽しみに、仕事を頑張っています。

とある1日

8:00
社有車(EV)で自宅を出発
9:00
出社・メールチェック
10:00
事業会社の経営陣とマネジメント会議
11:00
マネジメント会議の内容を踏まえてフォローアップアクションを整理
12:00
ランチ
13:30
車両管理チームと打ち合わせ、アクション整理
14:30
欧州住友商事(在ロンドン)の主管部と打ち合わせ
15:30
協業パートナーと打ち合わせ
16:30
CEOとのCatch Up、To-do整理
17:30
退社
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