皆さんに伝えたいこと、それは夢や志をもつことです。
青臭くて恥ずかしいと思うなら、構想と置き換えてもよいでしょう。
自分はどのような未来を創造したいのか、その絵を描いてほしいです。
仕事では、マネジメントや金融、法律など、さまざまな分野のテクニックが求められます。
しかし、知識やノウハウだけでは乗り越えられない壁が、いつか必ず立ちはだかるでしょう。
その壁を突き破るときに欠かせないのが情熱のエネルギーであり、
情熱を生む根源が夢、志、構想ではないでしょうか。
私は住友商事の採用面接で、「失敗したら会社が潰れるくらいのでっかい仕事をしたい」と夢を語りました。
何の具体性もない無責任極まりない夢でしたが、大阪での面接だったこともあり、
面接官は「東京では言うなよ」と笑って許してくれました。
当時から住商には若者の夢を受け止めてくれる懐の深さがありました。
一方で、先輩からは「夢ばかり語るな。騙されたと思って目の前の仕事をやれ。
10年は自分の時間はないと思え」と諭されました。
モーレツに働くことが当たり前の時代の言葉だから、皆さんには前時代的に響くかもしれません。
入社5年目に、火力発電所建設プロジェクトに関わりましたが、
そこで「でっかいこと=地道に小さな仕事を積み上げること」ということを学びました。
どんなに大きく見えるプロジェクトも、小さな仕事の集合で、どれかひとつ欠けても完成しません。
夢も同じだ、と気づいたのです。
情熱をもって夢を語る人は、自然に人を惹きつけます。
それが仕事を進めるうえでも大きな武器になるでしょう。
夢なき者に理想なし
理想なき者に計画なし
計画なき者に実行なし
実行なき者に成功なし
故に、夢なき者に成功なし
はたして皆さんはどんな夢を描きますか。
いつか私と出会うことがあったら、臆せずにぶつけてください。
その日が来ることを楽しみにまっています。
代表取締役 社長執行役員 CEO 兵頭誠之